鳩サブレーと小鳩豆楽はどうして鳩の形?

鳩サブレーと小鳩豆楽はどうして鳩の形?

こんにちは。お豆、そして和菓子の歴史が大好きの名畑です。

鎌倉と言ったら何を思い出しますか。

鎌倉八幡宮だったり、鎌倉大仏を思い浮かべることが多いかもしれませんね。実際観光客のほとんどはそちらを目指しているように思えます。同じ神奈川県に住む私は年に1~2回鎌倉を訪れますが、人混みを避けるために八幡宮と大仏様は避けていきますからね。鎌倉の人混みは怖いぐらい多いんですよ。特にお正月は殺人的な込み具合です。

 

鎌倉のお菓子というと

さて、鎌倉のお菓子と言った有名なのが「鳩サブレー」ではないでしょうか。鳩サブレではなく、商品名は鳩サブレーなんですよ。今回は、鳩サブレーで有名な豊島屋さんにお邪魔しました。

何度か訪れている豊島屋さんは、私は鳩サブレーしか扱っていないと思ってました。でもたくさん上生菓子も扱っていらっしゃるんですね。私が行った時期は4月だったので、桜のモチーフの和菓子がたくさん並んでいました。その中で目を引いたのが、落雁です。忘れていたけれど、そう言えば小さいころにお土産としていただいて食べて記憶があります。すっかし忘れていました。懐かしいということで早速購入してみました。

 

鳩のモチーフが可愛い落雁は、豊島屋さんオリジナルの小鳩豆楽です。味も特徴的で少し赤みが買っているのは赤えんどうを使用していて、口に入れるとふわっと解けるとともに大豆の香りが広がります。それは落雁には和三盆ときな粉が使われているからのようです。途中まですっかり忘れていたけれど、食べてみたら思い出しました~~。これですこれです。大豆の香りがたまらなく好きだったのを思い出しました。と、同時に二つの何故が頭をよぎりました。何故鳩サブレーなの?ということと、鳩サブレーと言い小鳩豆楽と言い、なぜ鳩がモチーフなの?ということで調べてみました~~

 

 

どうして鳩サブレーなの

豊島屋さんの創業は明治27年。もともと瓦せんべいを扱っていましたが、当時から鎌倉は外国人観光客が多くて、自国の故郷へのお土産を求める人が多く来ていたようです。外国人の一人がビスケットを豊島屋さんに持ち寄り、バターが効いて味のとりこになり、それをもとにお菓子作りに挑戦し始めました。当時はバターなどあまり手に入らない時代で、材料を集めるのに大変だったようで、横濱の異人館までバターを求めに行ったようです。子供たちに栄養のある美味しいものを食べさせたい思いで試行錯誤を繰り返して理想の生地を作りげて、外国船航路の船長をしていたお客様に試食してもらったところ、フランスの焼き菓子の「サブレ」に似ていると感想をもらいました。サブレという言葉がまだまだなじみのない明治の時代に、日本人の「三郎」という響きに似ていることを連想して、試作品を『鳩サブロー』と呼んでいたそうです。試作品はやがて商品として売るようになり、『鳩サブロー』から転じて、『鳩サブレー』としたようです。この経過を大切にして、今でも語尾を伸ばした名称を使っているとのこと。どこにもないお菓子の命名のスタートは、音を遊ぶことから始まったのは面白い話ですよね。明治に生まれた鳩サブレーは、今日まで原料も抜型の形も変えずに、当時と同じ味とデザインのままでたくさんの人に親しまれています。

 

 

 

どうして鳩がモチーフなの?

大正10年ぐらいからラインナップに加わった「小鳩豆楽」は、豆に楽しくお過ごしください!の想いを込めて作られているそうです。そして落雁は一般的には片方に絵柄がある和菓子ですが、これは両面打ちしているためとても手間がかかっています。見た目も可愛い形ですが、鳩サブレーと言い小鳩豆楽と言い、どうして鳩なのかと疑問に思いますよね。実は、鶴岡八幡宮にちょっとしたわけがありました。店主が大好きな鶴岡八幡宮の境内で小さな子供たちに親しまれている鳩、そして鶴岡八幡宮の本殿の掲額の「八」の字が鳩で作られていることを知り、鳩のモチーフの菓子を作りたいとかねがね思っていたようです。

鳩は神聖な神の使いとされていて、八幡宮の八の字を、二羽の鳩の文字で表現されています。

 

お菓子に強いメッセージが込められている鳩サブレーと小鳩豆楽。懐かしい味に舌鼓でした♪

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