落雁は飾るものじゃないの?

落雁は飾るものじゃないの?

こんにちは。お豆大好きの名畑です。

最近、落雁を目にすることが多くなりました。その進化の様子がすごいのでレポートしてみたいと思います。

 

飾り物の落雁の時代

落雁を目にするのは、一番多いのはお彼岸やお盆の辺りですよね。ご先祖様にお供えする蓮の葉の形をしたアレです。砂糖がなかった時代は果物を甘味としてお供えしていましたが、果物は夏の暑い時期はなかなか日持ちがしなかったので、果物を模して代わりお供えするようになりました。蓮の花は極楽浄土の象徴的な花で、最上の花という意味でその形を作っていたのです。でも、仏壇にお供えしているものを食べている人ってあまりいないのではないでしょうか。食べ物が豊富な現代、落雁は仏壇の飾り物になっている時代がほんの少し前にありました。

 

形を楽しむ落雁の時代

砂糖が普通に使われる時代になったため和三盆という上品な味で貴重なもので作られている落雁が多くなりました。和三盆をご存知ですか。
和三盆とは徳島県や香川県で作られている高級なお砂糖のことです。和三盆は砂糖の原料のサトウキビの中でも四国原産の竹糖と呼ばれる種類を使い、伝統的な製造方法によって作られているお砂糖で、なかなか手に入らないのですが、上品な甘さが人気で落雁に使われています。

 

そして形も季節によっていろいろな形があります。

これは2月に買ったものなので、冬のイメージですね。雪や雪だるま、ボタンの花等いろいろなイメージで作られています。可愛いですよね。

 

他にも色とりどりなのが分かりますよね。綺麗な花やお野菜などを模った和三盆の落雁はかわいいイメージで人気も出てきました。

味も形も匂いも楽しむ時代になった

新しい落雁は、形だけでなくフレーバーも楽しめるようになったんですよ。抹茶を入れ込んでみたり、ハーブを入れてみたり、口の中の広がり方や溶ける感じがそれぞれ違って美味しさを楽しめるんです。「落雁」の美味しさの決め手は、“口溶け”と“上品な甘み”。このどちらも、良質な原料と配合なくしては生まれません。職人技や伝統、歴史そして風土や文化など様々なものが含まれ、それら全てが結晶した菓子です。

その材料は極めてシンプル。それだけに、原料の良し悪しと職人の技量・製法が問われます。昔からの製法を守りつつ、進化していく様子は面白いものがあります。落雁は飾るものだけであれば、もしかしたらなくなってしまうかもしれません。お雛様に飾る菱餅のように、形だけを模しておくことも可能だからです。落雁をもっと美味しく食べて欲しい!という職人さんたちの強い想いが新しい形に進化させているのかもしれませんね。新しい形の落雁は、濃い緑茶と一緒に楽しんでみてくださいね。口の中に幸せが広がりますよ。

もうすぐ母の日だから、私は山形の母に美味しくてかわいらしい落雁をプレゼントしようかな!

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