上生菓子との出会いは一期一会。上生菓子を楽しんじゃおう!
- 2018.03.31
- 上生菓子

こんにちは。
お豆大好きの名畑です。
今日は和菓子の教室に行ってきました。何かね、惹かれてしまったんですよ。
和菓子屋さんで見かける上生菓子は、季節の折々の美しさを切り取って表現した生菓子ですが、いつもその美しさに魅力を感じます。
上生菓子を買ってきては、きれいだな~~とじっくり眺めてからいただくと美味しさもアップするから不思議です。
そんな上生菓子を作ってみました。
上生菓子とは
和菓子にはいろいろな種類がありますよね。
焼き物や練り物、押し物や餅物と作り方で分ける場合と、できた直後の水分量で分ける場合などがあります。
水分が30%以上あると生菓子、10~30%だと半生菓子、10%以下だと千菓子と呼ばれています。
生菓子の中でも並生菓子と上生菓子があるんですが、別に優劣があるわけではないんです。
上が付くと上等のような感じが受けられますが決してそんなことは関係なく、砂糖をたっぷり使う練り切り、求肥、羊羹などを使った和菓子のことです。
それは戦時下の話ですが、配給制となっていた砂糖はとても希少だったので、よりたくさん使う和菓子を上生菓子、それ以外を並生菓子と呼んでいたからなのです。
並生菓子は普段使いのお菓子として食べることが多いのに比べて、様々な細工で季節を表現するものが多い上生菓子は、茶の湯やご進物に使われる場合が多いですね。
といっても、先ほども言ったように上下関係を表しているのではなく、昔の名残なのです。
上生菓子を作ってきた
さて、今回作るのは2種類
絞りの上生菓子と三角棒を使った上生菓子です。
用意してもらったあんこの玉をまずは3つ並べて押して、白餡を練りこみ、そして手拭いで絞ります。
できたのがこちらです
優しい色合いできれいでしょう。
そして、桜をモチーフにしたぼかしを効かせた和菓子です。
ピンクの餡に白餡を包み、さらに小豆餡を入れ込んで、三角棒と呼ばれるもので桜をイメージしていきます。
その時の手の動きや、ちょっとした線の置き方で出来栄えが違ってくるんですね。
先生の作った見本とは全く別物になりましたが、何となく桜なのが分かりますか?
この三角棒は、桜の花や梅の花、桔梗など花を表すときに、使うものです。
こんな棒が、きれいな花を表すんですよね。やってみて面白かったのは、力加減や動かし方でイメージが変わるんですよね。
それぞれ5個ずつ作ってみましたが、悲しいかな同じものは一つもできませんでした。
お店に並んでいるものは、判で押したように同じものが並びますよね。プロの職人とはすごいな~と改めて尊敬しました。
上生菓子の美しさ
季節にふさわしい花や景色などを題材として、和菓子職人が伝承の技術を駆使して、ひとつひとつ手作りで作り上げます。
色や形、香り、食感などを口だけでなく、五感で楽しむことができる、いわば芸術品です。
花鳥風月などの自然を表現したものが多くみられますが、味はもちろんのこと形も色も和菓子職人によって違ってきます。
いろいろな形色を表現するために、いろいろな種類の餡を用意したり、混ぜたりして、それを竹べらや布巾などの道具を利用して作っていきます。
型で作っているわけではないからこそ、そこでしか味わえない、見られないはかなさがまた美しいところとも言えますよね。
上生菓子は一期一会
作る材料の種類もたくさんあり、決められごとはほとんどない自由な作品の上生菓子。
季節を切り取って表現する方法は、菓子職人さんの数だけありますし、その年によって餡子の材料となる豆も違ってきます。
そうなると、デザインも味も、その時しか味わえないものになりますよね。同じ上生菓子に出会うことはほとんどないのです。
まさに一期一会です。
一期一会とは元々茶の湯の教えを説いた言葉です。何度かの茶会を開くことがあるとしても、全く同じ茶会は二度と開くことができないから、茶会は人生一度きりのものと心得て、精一杯の誠意をつくさななければならないという意味です。
和菓子屋さんで出会って、きれいで惹かれた上生菓子とは二度と会えないかもしれませんから、美味しく感謝していただきたいものです。
茶席で味わうために、発展してきた上生菓子ですが、茶席だけではもったいない。
濃いめのお茶で時には五感を楽しませましょう。また、お茶会などに参加して、本来の楽しみ方を味わうのも楽しいですね。
人生は一度きりです。美味しい和菓子と出会ってくださいね。
Love 和菓子